しかしながら北投石水は浸漬水であり「源泉」そのものではないという事もあり、愛飲者の方からは、「自宅で玉川温泉の源泉を飲めないだろうか」というお声を頂きました。

そこで玉川温泉の湯治館「ぶなの森玉川温泉そよ風」（現在は閉館しています）の協力の下、源泉の飲用化に着手しました。

多くの効能に優れた玉川温泉ではあるものの、その温泉水を飲用商品にするには、幾つかの難題を解決する必要がありました。

＜強酸性の問題＞

玉川温泉は強酸性の泉質であり、温泉水は「浴用」としては販売されていたものの、「温泉水飲用」はできませんでした。

玉川温泉の温泉水は、玉川温泉でしか飲む事ができず、温泉の泉質上、湯治宿で飲用する場合でも特別な注意が必要です。

玉川温泉の源泉は大変酸性度が強い為、何倍にも薄めた（希釈した）状態でも歯のエナメル質に影響が出てしまう為、ストローを使用して歯に当たらないよう飲用（飲泉）しなければいけません。

＜一般細菌の問題＞

源泉をくみ上げる際には30℃以上の温度があり、冷える（温度が下がる）まで発送できず時間が経過します。東京到着後の分析結果は、そのままではとても飲用は出来ないというものでした。

大きな問題の１つは、一般細菌数の多さです。
源泉をくみ上げてから発送するまでに冷やす過程があり、そういった時間的経過や源泉の輸送等で細菌類が発生すると推測されます。

＜鉛の含有量>

また、より深刻だったのは、飲用には適さない「鉛」の含有量です。
鉛は一度体内に入ると排出されることがないため、温泉地で源泉を一度二度飲用するならばともかく、飲用水として常用するには、あまりにも高いレベルの数値でした。

そこで「北投石水」の開発にご協力頂き、農林水産省認定工場を持つ飲料水製造メーカー様とこれらの問題点について話し合い、2年に及ぶ研究、実験を重ね、以下の４つの工程を重ねることで、玉川温泉の源泉を国内で初めて飲用水にすることに成功しました。

１、特殊技法による「ろ過」により鉛などの重金属等の除去

鉛などは一度体内に入ると対外へ排出できないため、厳しい基準が定められています。

２、長期保存が可能になる熱殺菌

国内ミネラルウォーターのほぼ全てで熱殺菌は行われています。

３、飲用に適するまで北投石水で源泉を希釈

強酸性である源泉を、歯のエナメル質に影響を与えることなく、そのままコップに注いで飲んで頂けるよう調整を重ねました。希釈に際しては、「北投石水」（2007年に開発）を使用しています。

４、五層構造のパックに源泉希釈水を注入

北投石水の場合と同様に直射日光を通さず細菌の発生を防ぐＬアルミパック（Ｌ Ａｌｕｍｉ）を使用しています。

以下は飲用に適している証である、水質検査成績書です。